>>No.174

今週のひと

「広瀬光治が贈るシックに着るニット」
出版したニットの伝道師



 
広瀬 光治さん

 NHKの「おしゃれ工房」に出演し、“ニットの貴公子”として注目されて以来、”ニットの伝道師“として広瀬光治さんの活動は多岐にわたり、全国を回って講演やテレビのバラエティー番組の出演と活躍の場を広げています。そんな広瀬さんがこのほど「広瀬光治が贈るシックに着るニット」(雄鶏社)を出版。編み物の魅力について伺いました。

プロフィール
1955年、埼玉県与野市生まれ。日本編物文化協会理事、ニットデザイナー。高校時代から編み物に興味を持ち、作品を編み始める。霞ヶ丘技芸学院で本格的に学んだ後、日本ヴォーグ社に入社。雑誌の編集長、編み物講師としても活躍。93年から「おしゃれ工房」(NHK)に出演し、最近では“ニットの伝道師”として多忙な日々を送る。



 このほど初めて雄鶏社さんのほうから中級向きのニットの作品集を出版しました。今回は男性から見て、こんな風な女性であってほしい、こういうニットが似合う女性になってほしい、そんな思いでデザインしました。編み物は、一枚編んだものが5年後、10年後でも着られる。次の年も、次の年も着られるようなデザインを考えながら作っています。

 この本は12冊目、1冊ごとにコンセプトを変えて作っています。たとえば、白い糸が1本あると、子ども、大人、男性、女性のものといくらでも変化をすることができます。さらにテクニックは単純で、棒ばりでいくと表目と裏目、かぎ針でもそうですがそれの組み合わせ、糸をかけてその引き出し方によって模様が無限大にできてきます。糸1本から布地を作って、その中に自分のデザインを入れていくことができるのです。だから私は手編みや編み物は世界に一つしかない、オートクチュールだと思っています。それがニットの魅力の一つでしょう。

私は昭和30年生まれ。小学校から帰ると祖母の前に座って、糸をほどくためにくるくる回す。祖母から残った糸でくさり編みを教わったのが最初です。一つの転機となったのは高校2年生、修学旅行に着ていくものを初めて編んだときでした。2回失敗し、3着目でやっと出来上がったのですが、編み物はもとに戻って何度でもチャレンジできる、そんな楽しさを体験しました。

高校を卒業して水産会社に就職。社内の編み物クラブの先生から「あなたこれだけ編み物ができるのなら、きちんとした学校に行ったほうがいい」というアドバイスを受け、それから3年半、勤めながら夜間部に通いました。水産会社で検定試験の成績優秀者として表彰を受け、副賞に日本ヴォーグ社の通信教育のセットを頂き、郵送された会報誌のなかに「来年の春、編み物学校を卒業の方、編集者を若干募集します」と掲載されていたんです。応募要綱には、「女子のみ」とも書いていない。じゃ、男でもいいのか、と思って応募して合格。22歳のときでした。

 編み物は、自分のために編む場合もあるけれど、ご主人の、お嫁さんの、子どもの“ために”ということが大きいですね。子どもはお母さんが真心込めて編んでくれたことを一生覚えていますよ。お母さんのほうも「あの子は何歳のときはこんなんだったな」と作品のなかから時代に戻ることができる。時間そのものが作品のなかにあって、もう一度、自分を振り返ることができるのです。

もともと、編み物はヨーロッパで男性の職業でした。根気がいるけれど単純作業で、それがストレス解消にいい。手を動かすことはどこか人間の本来持っているもの、心をいやすということがあるのではないでしょうか。今アメリカのビジネスマンで編み物をやる方は非常に多いです。男性ばかりでなく、21世紀を担う子どもたちが気軽にあたりまえにできるように編み物のすばらしさを知ってもらう。これがこれからの私の人生の役割だと思います。

4月7日、愛知万博のエキスポドームで2000人のみなさんと一緒に指編みをしようという大計画があります。手を使うということが愛、地球につながるのではないかということで今このことに全身全霊を傾けています。ぜひ、参加してくださいね。


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