今回は、主演とかホラーということ抜きに「映画をやりたい」とすごく思っていたんですよ。初めて映画に出演した「海猫」は、森田監督がとても優しく、現場は一つの作品をみんなで作るという感覚がすごく強く、楽しくてまたやりたいと思いました。
「着信アリ2」は好きなジャンルのホラーということで、ますますうれしくて。とにかくお話をいただいたときは「やった!」という感じでした。
「着信アリ」の映画と「着信アリ2」の台本を比べると「2」のほうが一人ひとりの人物描写がしっかり描かれています。私は保育士でチャイルドセラピストを目指し、吉沢悠さん演じる恋人の尚人はカメラマンの修行中。私が死の着メロを受け、彼とルポライター役の瀬戸朝香さんが謎を解こうと動き出すんです。それぞれの人物のくやしい、かなしい、落ち込むという感情がすごくわかりやすい形で表現され、死んでしまうということが怖いという感じにつながるのかなと思います。
私は表情がよく動くんですよ。ホラー映画はオーバーな表情の動きよりもちょっとした目のゆらぎや口の息づかいだったり、かすかな動きのほうが想像を膨らませてしまう部分があると思ったんです。それも考えて自分の表情筋の使い方は70%だけど心情は120%に。声を出すときは表情も変わりますが、恐怖や悲しさで叫ぶときは思いっきり叫びました。
撮影は薄暗いところが多かったです。画面として暗くするということは薄暗くするということで、暗くて不気味で怖いところでしたが、楽しかったですよ(笑い)。炭鉱の跡は撮影にうってつけの場所でぜんぶ本物なんです。杏子がくさった木に倒れこんだときも、かびのにおいがして感情移入や心細さも演じやすかった。美術さんの努力の結晶なのか、リアルなのか見分けがつかないくらいところもあって、それがうまくスクリーンに出ているんじゃないかしら。塚本監督はベースを自由にやらせてくれ、相談をすればのってくれる。演じていると「あ、信頼されているな。それならがんばろう」という感覚があって、身の引きしまる思いでした。
ホラーは、恐怖としての怖さだけだと思うのですが、そうじゃない怖さは実はたくさんあって、怖さはどこにでも潜んでいます。ホラーに対しては怖がりではないですが、世の中に怖いと思うものはたくさんあって、人間の心理が崩壊していく怖さも大嫌いですし、鯉のぼりとピエロが嫌いです(笑い)。
今回は主演としての面白さもあったけれど、演技をすることがダイレクトに楽しめるので、どんな役でもやってみたいと思う。もともと私は天邪鬼で毒気が強い(笑い)ので、そういう役もやってみたいですね。
この映画は今までみたホラー映画のいいところを自分なりに消化して作っています。ぜひ、ご覧になってくださいね。
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