平成17年1月1日号(No.1522)
平成16年7月9日号(No.1510)
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都市再生機構(旧都市基盤整備公団)



第二次募集を今月下旬から開始


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 千種駅南地区の広小路通沿いに超高層のツインタワーがライトアップされ、夜空にキラキラと輝いているのをご覧になった方も多いでしょう。このツインタワーの一つが都市再生機構(旧都市整備公団)の都市型賃貸マンション「アクシオス千種」で第2次募集が平成17年1月下旬から始まります。同住宅は千種駅南第一種市街地再開発事業として進められ、同時期に行われた第一次募集(89戸)はかなりの人気を呼びました。同時に介護付有料老人ホーム、デイサービス、託児施設、クリニックのほか、分譲住宅や商業施設もオープン。千種駅周辺がにぎわいを見せています。

団地管理側
都市再生機構 中部支社 企画課長 伊藤正則さん

住民との連携をさらに強化

 新年あけましておめでとうございます。
独立行政法人都市再生機構(略称/都市機構)として初めての新年を、新たな気持ちで迎えております。
 当機構では、平成十一年から住民の皆様との相互理解・相互協力を目的として連携研究会を設け、「緊急連絡員業務の委託」や「来客用駐車場の運営」などに取り組んでまいりました。
阪神大震災から10年、昨年の新潟中越地震を思いますと、この連携の重要性を改めて認識する次第です。
さて、間もなく「愛・地球博」が開幕します。日本各地から、世界各国から多くの方々がこの地を訪れることでしょう。
「経済の元気」に加えて、人・街・暮らしともに「元気な名古屋」を見ていただきたいものです。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
愛知県建設部住宅管理課長 江崎時彦さん

入居者が安全で快適な住まいを確保
新年あけましておめでとうございます。
県営住宅は入居者の皆様が日々の暮らしを送り、家族とともに成長し支え合うかけがえのない生活の場でございます。
今日、少子・高齢化の進展など経済社会情勢が大きく変化しております。このような状況の中で近年県営住宅の応募者数も増加しており県営住宅全般の管理のあり方についても見直しが求められております。
そこで、時代の大きな変化や潮流を的確に把握し、入居者の皆様が安全で快適な暮らしができるよう、住宅の維持修繕等を迅速かつ効率的に行うなど、県営住宅の適切な管理に努めてまいります。
今後とも・住まいの環境をより快適なものとする.ために、入居者の皆様のご理解、ご協力を得ながら住宅の管理を進めてまいりたいと思います。
皆様のご健勝といっそうのご活躍を祈念いたしまして新年のごあいさつとさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
名古屋市住宅都市局住宅管理課長 榊原 博さん

高齢者向けバリアフリーを推進
新年明けましておめでとうございます。近年、公営住宅を取巻く環境は、大きく変りつつあるように思います。例えば、三位一体改革の中での補助金の削減、経過年数係数の変更などの制度的な変更があります。また、高齢者をはじめとした応募者数は増加の一途であり、市営住宅の高齢化率も市の平均よりも高くなっております。こうした状況下で、市といたしましては、高齢者対応工事の充実や環境再整備事業によるバリアフリー化など入居者の皆様方が安心・快適に生活できる環境を整えるべく努力してまいりました。今後も入居者の皆様と力を合わせながらより一層の快適な環境作りにできうる限りの対応策を進めてまいる所存でございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
居住者代表
自治会協議会会長 多戸  靖さん

再生機構が全国居住者決起集会に出席
独立行政法人都市再生機構が大家の初めての全国居住者決起集会に出席。大変化は無いようだがセカンドハウス制度など地域コミニティ破壊の新制度が空家対策として進行する報告があった。
高家賃の空家を無くす手段が理由で無制限な社宅化と並び、街造り破壊の現場無知の制度である。
高家賃の引き下げこそ入居希望者が殺到して空家解消策で効率的。
統一行動のあと三輸国土交通省住宅局民間事業支援調整室長と面会した。
公団管理がなぜ民間事業支援なのかの質問に回答はなかった。
全国自治協代表の質問と意見に真撃に耳を傾ける姿勢に期待を寄せたい。
日本の住宅政策変革スタート、関係者の腹蔵のない意見交換を求めたい。
愛知県営住宅自治会連絡協議会 会 長 川部 國弘さん

日常生活が「愛・地球博」!
 明けましておめでとうございます。
1996年の公営住宅法の改正施行以来、入居者は日常生活が「愛・地球博」です。
外国籍世帯の増加は留まる事がありません。とは言え、悪い面ばかりではありません。自治会活動にも積極的に参加、協力をして頂いていますし、中には自治会役員を担って頂いている方もいます。通訳・翻訳をして頂き、「住みよい住宅」・「きれいな住宅」で暮らしたいと、住宅の規則・ルールを守り、定期的な集会や清掃作業への参加率は想像を上回るものがあります。他方で高齢者世帯、父子・母子世帯の急増で、自治会運営が形骸化している住宅も少なくありません。きびしい社会情勢の中で、自治会費、共益費や駐車場料金の滞納者の増加。一方的に負担を強いられる所に「住みよい社会生活」は成り立たないと思います。「自助・共助・公助」バランスのとれた役割分担の中で多様化した入居者のニーズを満たし、持続可能な自治会を創造していくために、管理者・入居者・地域との協働を進め、「安心・安全」な「住みよい環境づくり」を目指して取り組んで行きます。本年も宜しくお願い申し上げます。
名古屋市公営住宅協議会 会長新谷義人さん

借地借家法改悪反対を一般国民と共に
 あけましておめでとうございます。大量破壊兵器もなかったイラク戦争、今第一のベトナム化となり、憲法に反して自衛隊を派遣した小泉政権は、引き続き対米追従でも、もう一年派遣を決めた年の瀬でした。
 小泉首相の三位一体改革、昨春の社会資本整備審議会、同部会は、大半の物価が下がり、経済安定化の中で、96年公住法改悪で生じた地方自治体の赤字を今年度家賃の値上げでカバーする暴挙を狙っていて、政府・官僚たちは一体何を考えているのでしょう。
 小泉改革への批判も自治体の中では出始めていて、公営住宅居住者は、借地借家法改悪反対の一般国民と共々、こうした政府・官僚たちに反対して戦う決意です。

 名古屋の味や名古屋嬢が話題になり、昨今、元気のよさが注目される愛知県地方。日本の景気回復はこの地方がリードしているようです。加えて2005年は愛知の一大プロジェクトが完結する記念すべき年。中部国際空港が2月17日に開港し、2005年日本国際博覧会「愛・地球博」が3月25日に開幕を迎えます。そこで今年も、神田真秋愛知県知事をお迎えし、3名の本紙女性読者とともに、新春恒例の座談会を開催。期待に満ちた愛知の姿を思い描きながら、万博、防災、NPOなどのテーマで語り合っていただきました。
田中祐理子さん 浦野愛さん 松本里美さん
【【出席者】
神田 真秋愛知県知事

田中 祐理子さん 長久手町おもてなしボランティア
浦野 愛さん   レスキューストックヤード事務局長
松本 里美さん  犬山市市民活動支援センター副理事長

「愛・地球博」開催

積極的に観客誘致活動
 田中 年明けとともに「愛・地球博」への期待が高まってきましたが、PR活動はどの程度進んでいるのでしょうか。
 知事 昨年12月27日に博覧会協会から「公式ガイドブック」のハンディ版が全国発売されました。新聞やテレビでは次々と特集を組んでいただいており、開幕に向けて一気に万博ムードが盛り上がってくるものと期待しています。また海外に向けても、旅行見本市に出展したり、説明会を開いたりして、積極的な誘客活動をしています。万博が開幕すれば、大勢の方に来ていただけるものと信じています。

 田中 私の住んでいる長久手町は万博会場に近く、会期中は来場者が集中して、日常生活に支障が出るのではないかと心配しています。
 知事 交通渋滞については、会場周辺の方々に極力ご迷惑のかからないように取り組んでいきます。特にゴールデンウィークやお盆、閉幕前、土日祝日などは来場者の集中が予想されますので、人気の高いイベントを平日に実施したり、団体の受け入れを平日にするなどして、できるだけ来場者が特定の期間に集中しないよう工夫しています。またマイカーをやめ、できるだけ公共交通機関を利用していただくような働きかけもしています。

リニモも完成し公共輸送に自信
 田中 新しくリニモも完成したことですし、ぜひこちらを利用して欲しいですね。
 知事 そうですね。ただ藤が丘まで地下鉄で来ていただいても、お客様の多い日には、リニモに乗るのにお待ちいただくこともあります。そこで名古屋駅から直通列車で万博八草駅までお越しいただき、リニモ又はシャトルバスに乗り換えていただくとか、名古屋駅から直接シャトルバスで来ていただくなど、藤が丘に集中しないよう、いろいろなルートを用意しています。またマイカー対策としては、会場周辺に6ヵ所の駐車場を設け、そこからシャトルバスで来場していただくパーク&ライド方式など、さまざまな対策を考え、できるだけ混雑しないよう努力しています。
 浦野 できればルート案内などの情報提供があるといいですね。
 知事 万博ITSがあります。これはパソコンや携帯電話、カーナビ、道路等の可変式案内板などを使い、各種交通機関の運行状況や混雑状況、駐車場の満空状況をお知らせするもので、皆さんがスムーズに移動できるようサポートします。

 松本 万博は外国の方に日本を理解してもらう絶好の機会ですが、県内市町村と参加国とのフレンドシップ事業も盛り上がっているようですね。
 知事 開幕が近づくにつれ、相互の交流が盛んになってきました。会期中は各国のナショナルデーが開催されますので、その日をどう盛り上げていくか、参加国とパートナーの市町村が一緒になって、計画を練っているようです。また19の市町村では、相手国の若手映画監督を招いて、万博の記録映画を作る動きも出ています。こうした交流を一過性のもので終わらせることなく、さらに深めていくため、例えば、感受性豊かな若い時期に、子供たちが国際貢献について学ぶ機会なども設けていきたいと考えています。
 田中 閉幕後の公園に残してもらえる万博関係施設はありますか。
 知事 万博で作るものはあくまでも仮設で、終了後は取り壊すのが基本的な考えです。「せっかく世界的なイベントを行うのだから、何か記念になるものを残して欲しい」という意見は当然出てくるでしょうが、維持管理にお金がかかるなど、たくさんの課題があり、慎重に判断しなければなりません。今、県民のニーズを取り入れながら、万博後の公園計画を練っているところですので、その中でじっくりと考えていきたいと思います。

 災 害 対 策
福祉 医療 防災に連携重要
災害発生時は地域力頼り
 浦野 災害救援のNPOをやっていますが、今年は台風や地震など、災害が多発しました。しかも犠牲になられた方の多くが高齢者や障害者で、災害弱者の問題は未だ有効な手段が見出されていません。私は支援の要になるのは、家族など当事者の一番近くにいる方と、日頃から福祉や医療面から生活支援をしている方だと思います。そう考えますと、もっと福祉や医療の関係者と防災関係者が密接に連携する必要があるのではないかと思うのです。
 知事 災害対策を進める上では、特に連携が大切だと考えています。高齢者や障害者の方がどこにいらっしゃるか分かれば、素早く手を差し伸べることができます。しかしその一方で、個人の情報を安易に流すと、それが犯罪に利用されたり、プライバシー侵害の問題が出てきたりして、難しい面もあります。それで、県では、「市町村災害時要援護者支援体制マニュアル」の中に、プライバシーに配慮した所在把握の方法を盛り込み、これを基に各市町村がそれぞれの状況にあった形で具体化していくことを進めています。やはり災害が起きた時、一番頼りになるのは地域力です。この力をもっともっと強くしていかなくてはと思います。
 浦野 地域の人の中には責任を負わされては困るという人もいます。そういう意味でも在宅支援をしている人たちは、弱者の人の事情を一番よく知っているわけですから、そういう人たちが防災面の指導もできれば、命を守ることにつながると思うのです。
 知事 その視点は我々ももっています。今回の新潟中越地震では、心のケアの問題がクローズアップされましたが、我々も市町村向けの支援マニュアルだけでなく、保健活動のマニュアルも作成し、医療に携わる人たちの位置づけもきちんと整備しています。

 N P O
行政との連携可能に
「あいち競技ルールブック」作成
松本 実際に現場に出ますと、私たちのNPOに対する思いと行政の方たちの思いがずれていると感じることがよくあります。そうした中で、昨年、NPOと行政の共同声明をしてくださって、とても嬉しかったのですが、そこに至る経緯についてお聞かせください。
 知事 今までは「公」の仕事は役所がやるものだと思われていましたが、最近はNPOの方たちが公のサービスを担う事例がたくさん出てきました。そうした状況から、NPOと行政の協働・連携についてきちんと考えなくてはいけないということで、一昨年、検討会議を設置し、1年間かけて検討してきました。その中でNPOの方たちへの支援策や活性化策などいろいろ出てきましたが、NPOと行政が共有するルールが必要だという意見がたくさんありました。それで「あいち協働ルールブック」をつくり、このルールを遵守していくことをNPOの方々と確認するために共同声明を行ったのです。

 松本 私もルールブックのポケット版をいただきましたが、ポイントをまとめてあり、分かりやすいですね。ところで、ルールブックについて、県や市町村の職員に、どう周知していますか。

 知事 行政の人の中には、まだ公の仕事は専ら自分たちがやらなければいけないと思っている人が多いですね。自分たちだけでやるのではなく、場合によってはNPOなど民間の方と一緒にサービスを作っていくという視点を持つことが大切です。そこで、県庁の全部局の職員に、NPOとは何かから始まって、なぜ協働が必要か、ルールブックはどう活用するかといった話をしてきました。また、市町村においては、地域に密着して活動するNPOとの協働が今後ますます重要になってきますので、市町村の方々にもきちんと理解してもらう必要があります。そこで県内の全市町村に対する説明会も行いました。
 松本 ただ市町村によって理解度に大きな差があり、愕然とすることもあります。
 知事 当然NPO関連の部署にいる方は高い認識をお持ちでしょうが、市町村の各課の職員に徹底させるのはこれからの課題です。そこで県では要望があれば、いつでも出前説明会を行う体制を整えています。これを市町村にもっと活用していだだくようPRに努めていきます。今後ともNPOとのコラボレートを大切にしていきたいと思います。
 松本 期待しています。 
 一同 本日はありがとうございました。

都市機構中部支社長座談会

稲垣拓男さん


水尾衣里さん
稲垣拓男さん
独立行政法人都市再生機構中部支社長
昭和22年生まれ。昭和49年日本住宅公団入所。平成8年本社再開発・改善部改善計画課長、千葉地域支社再開発・改善部長、平成13年都市基盤整備公団本社管理業務部次長、土地有効利用事業本部副本部長を経て、平成15年6月、中部支社長。平成16年7月、都市機構中部支社長に就任。

水尾衣里さん
名城大学人間学部助教授
 関西大学大学院工学研究科建築学教室修士課程終了後、名古屋大学大学院工学研究科建築学教室博士後期課程を経て、2003年より現職。現在、国土審議会近畿圏・中部圏整備分科会、名古屋高速道路懇談会、愛知県大規模小売店舗立地審議会など数多くの中部圏の行政機関、各種団体に所属。専門は建築学、都市計画。

 昨年7月、国の民間主導による都市再生を進めるという方針に基づき、都市基盤整備公団は地域振興整備公団の一部と統合して独立行政法人都市再生機構に移行するという大きな変化がありました。都市再生機構中部支社長との新春対談は、名称や組織の変更だけでなく、都市機構の役割や業務内容はどうなったのか。既存の団地の建て替えや住まいづくりはどうか。防災拠点としての団地や将来の団地のあり方についてなど幅広い分野にわたって話題となりました。インタビュアーは名城大学人間学部助教授の水尾衣里さんです。

どう変わった機構の役割
民間の都市再生を支援
約76万戸移管 ニーズに沿い改善

水尾 明けましておめでとうございます。昨年7月1日、都市基盤整備公団が独立行政法人都市再生機構に変わりましたが、具体的にどのように役割が変わり、今後どのような業務を行っていくのかをお話しいただけますか。

稲垣支社長 明けましておめでとうございます。まず最初に組織についてお話しますと、前身の日本住宅公団から住宅・都市整備公団を経て、都市基盤整備公団までの間、一貫して住宅・宅地等の供給・管理を行ってきました。住宅供給を通じて、再開発事業や市街地の整備改善等のまちづくりも手掛けてきました。今回新たにスタートした都市機構についてですが、まず国の方針として本来民間でできることはすべて民間で、都市再生も民間主導でやるべきだという基本的な考えがあります。しかしながら、まちづくりは民間だけではどうしてもできない部分がありますので、今後は都市機構がその部分を支援し、支えていく役割が与えられ、民間による都市再生を推進していくことが新たな主要な業務となりました。

日本住宅公団の時代から約50年近く住宅供給を行ってきました。全国で約76万戸の賃貸住宅の管理を公団から引継ぎ、これらには200万人近くがお住まいになっています。都市機構になってもこれらの住宅をしっかりと管理し、新しいニーズに合ったものに改善していくことや、賃貸住宅ストックの有効活用を図っていくことも重要な使命の一つです。また従来やってきた国家的プロジェクト、例えば筑波の研究学園都市だとか関西学研都市については引き続き機構で行っていきます。また、新潟県中越地震のような災害のときには、国を初めとする公的機関の手助けが必要です。10年前の阪神淡路大震災のときは、当時の住都公団が住宅の危険度の判定や仮設住宅を造って支援したり、震災復興後の新しいまちづくりのお手伝いをさせていただきました。これも都市機構としての業務の一つです。

 今まで郊外のニュータウンの開発を行ってきましたが、人口減少の時代を迎えて、都市機構として郊外の宅地開発事業は新規には実施しません。都市機構以前から着手しているものはできるだけ早い時期に事業を完了させていきます。都市機構ではこういったものを経過措置業務と位置づけていますが、他にも分譲住宅業務や鉄道事業、特定公園施設の整備なども経過措置業務として一定期間の間に事業を完了すべきものとなります。

水尾 そうすると都市再生の仕事としては住まいを中心としたまちづくりになるのでしょうか。
稲垣支社長 従来、公団時代は賃貸住宅や施設等の建設・管理というものを中心にまちづくりを行ってきましたが、これからの都市機構では、構想企画、諸条件整備などのコーディネート業務やパートナーとしての事業参画によって、地方公共団体や民間等による都市再生をバックアップする役割になります。また、都市再生については、大都市地域だけでなく地方都市の中心市街地の活性化等も叫ばれていますが、都市機構となって大都市地域だけでなく地方都市についてもそういった役割が可能となりました。したがって、住宅等の建設などの上物整備に民間事業者等の参画がし易くなるように条件整備などをお手伝いしていくことが中心になります。

具体的な町づくり支援策は

時代に合う街に改善
水尾 これからは人口が減少していく中で、これまで広がっていった都市をどう縮めていくかというのは我々都市計画家にとっては大きな課題の一つです。ニュータウン開発をやめるということですが、これまで開発したニュータウンが今後ゴーストタウン化していく可能性もあります。そうした中で、業務を終息させていかなくてはならないわけですよね。具体的にどういうまちづくり支援が可能ですか。

稲垣支社長
 むつかしい課題ですね。東京の例で言いますと、多摩ニュータウンは昭和40年代の初めに建設され、住宅は老朽化してきましたが、都市基盤がしっかりしているので周辺の乱開発されたところよりもはるかに魅力的な住宅地です。世代構成も開発当時のファミリー層から、少子高齢化が進んでいます。現在では新たな施設として高齢者施設や子育支援施設等が必要となっています。時代時代で必要となる施設が変化しますので、その時代にあった街に改善整備していくことが必要です。例えば機構の賃貸住宅団地を建て替えるときには地域に必要な施設を整備するなど現在のニーズにあった団地に建替えています。

水尾 老朽化していく団地を建て替えるのは、どのようになさっているのですか。
稲垣支社長 既存住宅の建替えは昭和61年から始まり20年近くたちました。中部地区では志賀団地で最初に建替えを実施しました。当初は建替え前の居住者に対する制度が必ずしも十分ではありませんでした。そのため居住者の方からいろいろご指摘やご意見をいただきました。その都度制度改善を行ってきましたが、平成10年度に大幅に制度を変更しました。それ以降は建替えについてかなり理解していただき、早く建替えてほしいというご意見も多くなりました。建替えにあたってはまず現在団地に住んでいる方たちで建替後も住み続けたいという方たちの生活基盤を確保するということを重視しています。機構の既存の賃貸団地は立地や環境に恵まれた所も多く、賃貸住宅を含めた土地利用計画を時代に合わせて見直すことで、土地の高度利用を図っています。また、居住者の方については、従前からお住まいの方の家賃の減額をしたり、一定の要件に該当する高齢者の家賃については、概ね公営住宅並みの家賃(上限値)まで引き下げています。ちなみに建替えした団地に従前お住まいの方が建替え後も住まわれる割合は首都圏ですと8割ぐらいですが、中部は5割程度です。これは団地によって個人差もありますが、中部圏の方が住宅事情が良く、お住まいの選択肢が多いからだと思います

コミュニティを壊さない再生は
建替え中も後も同一団地内に済み続けてコミュニティ継続を重視
水尾 住み続けたいという理由のなかには家賃の問題もあるでしょうが、隣近所のおつきあいもあると思われますが、建て替えでいかにコミュニティを壊さず、また再生していくかということについてはどうお考えですか。
稲垣支社長 基本的には引き続き住んでいただければコミュニティを継続することができます。また、建替え前から同じ団地内で仲の良い方がいらっしゃった場合、別の棟に住んでいた人やお向かいに住んでいた人たちが建替え後も同じ棟や近くの住戸で住めるように住宅を選んでいただくような配慮をしています。また、集会施設を活用したコミュニティ活動を行っていただくということもあります。そのため集会施設を拡充したり、新たに設置したりしています。建替えの際には、同じ団地内で段階的に着手していくことがほとんどですので、全く違う場所に仮移転をするということもありません。建替え中も同一団地内に住み続けていただけますので、小学校区域や高齢者の方の行政サービスも変わらずコミュニティも継続するのではないでしょうか。
変わったところでは、高蔵寺ニュータウンの1棟を社宅に貸していたものが空家になったため、ペット住宅にしました。昨年春に第一次募集しましたが好評でした。また今年初めに募集する予定です。実際飼っている方は6割ぐらいで、将来飼えるという魅力で入居されている方もおられます。ただ飼ってもいいというだけでなく、ペットクラブに入ることが条件になっています。そこでは飼い方の講習を受けること等ペットを通じてのコミュニティ形成が図られています。みなさん仲良くやっていらっしゃいますよ。

ニーズもライフスタイルで変わるが
人口減少時代の市街地活性化
郊外と都心の両方楽しむセカンドハウス方式導入
水尾 都市機構の組織が変わっていくと同時に住み手側の要求も変わり、空間についての要求や望むライフスタイルも変わっていくと思います。その辺りはどうお考えでしょうか。
稲垣支社長 都市機構が最初に建替えを始めたころというのは、建替計画を居住者の方々に説明をし、おおむねその通り進めてきました。最近では居住者の方々のいろんな意見を伺うため、ワークショップを行うなど、居住者の方々の思い出等(メモリアルの木等の保存)を大切にする等環境に配慮した団地設計や新しいライフスタイルにあった住戸設計をしています。

水尾 住民参加のワークショップを開いてみなさんの意見を聞くということは必要ですが、機構のほうも強いリーダーシップを発揮し、理想的な空間計画を示し、理解、協力をしてもらうことが必要ですね。さらに住み手も「公」の意識をもって考えるという双方の努力がないと支援しづらいですよね。

稲垣支社長 それは機構の担当者の能力の問題もありますが、団地の建替計画を、機構が居住者に提案し、それについて居住者の方にも住まい方について勉強していただくことも重要です。昔の公団住宅の2DK、3DKには居室は全て和室でした。長い間そうした住宅で住んでいた方は、同じような和室を作ってほしいといわれる。そうした住宅を一般公募すると、まったく入居者がいないということになりました。このため、せめて1つはフローリングにし、高齢者になったとき、畳もいいけれど足腰が弱ったとき、ベッドの生活のほうが便利ですよと提案していけば、多くの居住者の方々に受け入れられています。

水尾 今は都心居住という言葉が定着してきました。ITの発達、交通インフラの充実もあり、平日は郊外の住宅にゆったりと住んで会社に通い、週末は都心で楽しく過ごしたいという人もいますね。私もぜひ、都心にマンションが一つほしいと思ったりしますが、ふだんは環境の良い郊外から職場に通勤し、週末はコンサートやショッピングを楽しむ。今年ぐらいから総人口が頭打ちとなり、税収も働き手も減りますが、これをマイナスととらえるのではなく都心再生の千載一遇のチャンスと考え、ライフスタイルを見直すチャンスにできなくはないですね。

稲垣支社長 大都市も同様ですが、地方にいくと中心市街地は空地が多く、各公共団体も非常に悩んでおられます。機構もいろいろな相談を受けていますが、人口減少時代における中心市街地の活性化についてうまく提案していければいいと思います。また、都市機構でも郊外と都心の両方のライフスタイルを体験していただきたいと昨年10月からセカンドハウス方式を導入しています。

水尾 団地が災害の防災拠点になるという点ではどうでしょうか

稲垣支社長 もともと機構の団地の多くは屋外空間がゆったりしていて、そのままで十分緊急避難場所になりうるだけの空間を持っています。公共団体が自治会を通じて防災倉庫を設置していますが、機構も緊急時に対応できる防災倉庫を設置しています。新しい団地では雨水を一時的に地下に貯め、緊急時には生活用水に使ったり、井戸水を汲み上げるポンプを付けたり、下水道の上のマンホールをトイレに転用できるようにしたり、煮炊きできるコンロに活用できるベンチを設置したり、ハード面でいろいろな仕掛けを用意しています。

水尾 昨年新潟県中越地震の被害状況をテレビで見ていてたとえ防災グッズを持って逃げるという余裕がない、ということがよく分かりました。新潟の方々が大変だったのは、避難した体育館に水も食べるものもなかったことです。個人が防災グッズを用意するのではなく、避難拠点に自衛隊が到着する、わずか半日をしのげる備蓄の水や食料が置かれていたらどうかなと。再生機構がそういう協力をなさることも有効だと思います。

稲垣支社長
 災害時に団地は一時避難場所として周辺から期待されているので、予算のこともありますが、できる限りのことをやらせていただこうと思っています。

これからの団地のあり方
高品質で豊かなコミュニティが目標
水尾 これからの団地のあり方についてはいかがでしょうか。
稲垣支社長 私どもは住宅を作り始めて50年、ハードについてはそれなりのものを時代に合わせて作ってきたつもりですが、これから建替えなどを通じてさらにいい住宅を作っていきたいと思います。例えば、今度建替事業で建設した賃貸住宅の一棟を万博開催中に万博参加国のスタッフ用宿舎として利用していただくのですが、一部の住宅でCO2の排出を抑える燃料電池の実験を行います。
 トヨタ、アイシン、東邦ガスさんの協力で名古屋では初の試みです。そういった質の良い住宅を作った上で、さらにコミュニティの形成が重要だと思っています。昨年春、江南団地で給水施設の故障から3千戸が断水しました。復旧まで半日。機構と自治会が一緒になってお年寄りの家庭へ給水袋を運ぶといった行動ができました。突然の出来事ながら、お住まいの方々の安心につながったと思います。これからはコミュニティをどう作っていくか、よりよい団地生活を送るために何をしたらいいか等、自治会と話し合いを更に進めていくつもりです。

水尾 私は自分たちが地域を守っていくという意識があれば、コミュニティ形成ができていくと思います。ただ周りにどんな人が住んでいるかの確認ができなくなっているのではないでしょうか。たとえば葬儀は団地の集会所からセレモニーホールで行うなど時代の変化とともに生活の中で周囲の日とたちとの交流機会も減っており、コミュニティが破壊されていっているのかもしれません。

稲垣支社長 都市機構としても総合団地環境整備や団地内施設の空店舗等をデイサービス等の高齢者施設に転用するなどを行っていますが、機構が行うものはハード面の整備になります。
 整備した施設を活用して団地の中でどうやってコミュニティを作っていくかということが重要だと思います。これはなかなか難しいことだと思いますが、これには団地の自治会と話し合いを深め、共同であるいはお住まいの方々が自主的に取組みが進めば理想的です。団地環境の整備という点では都市機構でビオトープを作ったり屋上・壁面の緑化などを行っていますが、そうした環境整備に、居住者の方たちがさらに手を加えてこそ、いい環境になります。例えば機構が整備した花壇にお住まいの方々が花を植える活動をされたり、独り住まいの高齢者の方をケアするような態勢づくりを自治会で行っている団地もあります。
 今はなかなかご自分の周りに住んでいる方同士を知る機会が減っていると思います。皆さんが共通に関心のあるような活動がきっかけとなって新たなコミュニティが生まれていくと良いと思います。今の時代だと防災・防犯について皆さんも関心が高いと思いますのでそれをキーワードにした取組みが可能かもしれません。ただこういった取組みをする場合、中心になっていただける方が必要です。例えばリタイアをして時間に余裕のある方たちにご協力いただくとか、うまくリードしていただければいいですね。

水尾 みなさんに情報を共有してもらい、核になる方たちを探せば、生きがい作りにもなるし、いくらでもやれるのではないでしょうか。こうしたことは強制してできることではないだけに機構のほうでももっと住民の方に興味を持ってくださいとPRされたほうがいいかもしれませんね。今日はどうもありがとうございました。

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