>>No.166

NHKハイビジョンドラマ館
「七子と七生」で母親役

石田 えりさん

 NHKハイビジョンドラマ館「七子(ななこ)と七生(ななお)」〜姉と弟になれる日〜が10月9日(土)午後7時30分からデジタル衛星ハイビジョンで放送されます。親子の絆が薄れがちな今日、ドラマは夫に先立たれた妻が死を前にしての葛藤や2人の子ども、姉と愛人の子である弟の心の成長と絆の深まりを描きます。お母さん役の石田えりさんに伺いました。

プロフィール
77年、映画「翼は心につけて」でデビュー。80年「遠雷」で高い評価を受ける。その後も、「嵐が丘」「飛ぶ夢をしばらく見ない」「釣りバカ日誌シリーズ」「華の乱」「AYA」「美しい夏キリシマ」など映画を中心に活動を続け、日本アカデミー賞などを重ねて受賞。舞台「飢餓海峡」「日本人のへそ」「死と乙女」など。最新出演作品は舞台「れもん」(演出佐藤信・共演柄本明)2004.12東京・京都にて公演予定。映画jam Films4「玉虫」(塚本晋也監督)、「火火」(高橋判明監督)2005公開予定。


NHKハイビジョンドラマ館
「七子(ななこ)と七生(ななお)」
  舞台となったのは、緑が深い三重県菰野町の湯の山温泉。御在所ロープウエイに乗って1,212bの頂上付近まで行ったら、信じられないくらい寒くて、子どもたちはぶるぶる震えてるし、頭から毛布をかぶってました(笑い)。暗くなるまで撮影をしていましたから、夜景はとっともきれいでしたね。

 私が出演するかどうかを決めるのは単純で、台本を読んで面白いか、面白くないかなんですよ。ストーリーは、私と高校3年の娘七子で暮らしていた家庭に弟七生が来たことから始まります。七生は、7年前に亡くなった夫が生前愛人に生ませた子。七生の母親は傷害事件で拘置所に入っているため、施設に預けられていた七生を引き取ったのです。それぞれの感情が渦巻くなか、七子は七生の純真な思いやりと虐待の爪あとを発見して…。

 読み終わったあと、心にぐっと来ました。七子の台詞、子どもたちに父親の話をするときの台詞、私が夫を許すかどうかの心の葛藤、2人の子どもたちの触れ合いなどが胸を打ちます。このお話は、お互いの心の結びつき、最終的に人を信じあい、人とつながっていると感じることのやすらぎがテーマでしょうね。

 私の役は余命1年と言われる状況のなか、七生を引き取るんです。普通だったらあり得ないんですが、死を目の前に彼女も真剣に裏切った夫のこと、これからどう生きようかを考えたのでしょう。相手の奥さんと子どもを憎みきったまま死にたくない。どうしたらすべてのことを許せるか。人のためではなく、自分のために行動したんでしょうね。

  虐待の話も出てきますが、一番病んでいるのは、虐待している人、本人は虐待をすればするほど自分を嫌いになっていくんじゃないかしら。周りの人たちが、その人に「どうしたの」と一言声をかけてあげれば、状況は違ってくるかもしれない。虐待をする親のケアもあっていいんじゃないかと思います。
私がもし彼女のように43歳で余命1年と宣告されたら、やりたいことリストを作って、全部実行します。いろいろ悩むより楽しまなくちゃ、とふっ切れてますよ。オーロラは見たいし、子どもは欲しかったかな。相手を探すのは無理かもしれない(笑い)…。

 最近、演じることがこんなに楽でいいのかな、と思うくらい役づくりに時間がかからなくなりました。今、自分自身はこういう人間だと思っていても、自分の選択によって変えられるんじゃないかということに興味があります。演技じゃなくて感情、存在、性格など、人が変われるということを試してみたい。それが出来れば、日常生活に応用できますよ。

 ふだんは食べてジムで運動して、いいお酒を飲んで寝るという生活。良い食べ物を食べると活力がわくので、10年ぐらい前から有機栽培の野菜などを作っている生産者組合から買っています。それにくよくよしないのがモットー。世の中と闘ったり、がんばったりしない。どんなに悲惨に見えることでも世の中の流れにゆだね、今の状況は良いことが起きているんだと決めれば、良いこととになるんですよ。ポジティブに生きましょうよ。



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