>>No.165

中日劇場で新趣向の
名古屋嫁入り物語
「名古屋大安吉日物語」公演
愛川 欽也さん

中日劇場の名物公演「名古屋嫁入り物語」が生まれ変わり、装いも新たに「名古屋大安吉日物語」が10月公演で幕を開けます。今回は山田昌さんと茶の間の人気者、“キンキン”こと愛川欽也さんによる姉弟コンビの誕生に加え、大空真弓さんが加わり、さらにパワーアップ。新趣向で、名古屋の人情ばなしを笑いと涙で描き出します。そこで、愛川欽也さんに伺いました。

プロフィール
 昭和26年、浦和高校から俳優座養成所に入る。その後、劇団三期会を経てフリーになる。テレビの創世記に声優として「ジャック・レモン」の吹き替えをする。映画では「トラック野郎」、「極道の妻たち・決着」「A列車に乗って」、テレビでは「トラベル・ミステリーシリーズ」「渡る世間は鬼ばかり」、舞台では「港の見える街(作・主演)」「嵐の中で(作・演出)」「ふたりの街の灯(作・主演)」など。今年6月には初の自伝的小説「泳ぎたくない川」(文藝春秋)を出版。

 最近は俳優、演出、脚本にも関わり、作家として6月に出版するなどしていますが、この話があったとき、舞台にはのったことがない、と気がつきましたね。

テレビの「トラベル・ミステリーシリーズ」は25年間出演させていただいていて、名古屋でロケはしたことがあるんです。でも舞台はない。もちろん、山田昌さんにはお会いしたことがなかった。

 共演はすごく大事で、舞台の一カ月間息が合わなかったら、こんなにつらいことはありません。俳優座の先輩が「キンキン、合うよ」と言われたけれど、見た瞬間、「合うわ」(笑い)。これが隣に藤原紀香が座っていたら、こんなにおしゃべりはできない。そしたら山田昌さんも同じように「キムタクだったらこんなわけにはいかない」と考えていたそうです。

 昌さんの前の役柄は、夫に従ってきたものすごくおとなしい奥さん。“マサ!”と怒鳴られてたのが180度変わって肝っ玉母さん。以前は地じゃなかったようで、僕とはちょうどいい感じです。今回は、昌さんがねえちゃんで、一番甘えられる。よかったな、と。

 今回は中日劇場の名物公演「名古屋嫁入り物語」の“嫁入りシリーズ”の延長線上だと聞いています。新趣向ということで、最初に僕と昌さんの配役が決まり、ストーリーは後から作っていただいたとか。

舞台は名古屋・西区にある駄菓子とおもちゃの問屋街。その一画で、三代続いた製造卸販売の駄菓子店「大吉商店」の女主人が昌さん。僕は放浪癖のある弟役。店の従業員や街の人たちを巻き込んで、てんやわんやの大騒動を繰り広げます。マドンナ役は大空真弓さん。葬儀と結婚式が一緒になり、てんてこ舞い。はたしてヒロインが花嫁姿となれるのか、はらはらどきどきのエンターテインメントです。

僕は東京の巣鴨で生まれ、べらんめえ口調で口は悪いけれどハートは温かい、江戸っ子そのもの。僕は得意手のなかで仕事をしたいし、方言で苦労してもたかが知れています。芝居に身が入らないといけないので、風来坊で名古屋弁を忘れたという設定でお願いしました。

 駄菓子屋というのは、郷愁と夢がありますね。喜劇らしい義理と人情を取り入れた楽しく笑える作品になっています。もちろん、客席に向って恒例の“菓子まき”がありますよ。

 僕はビリー・ワイルダー監督が好きですが、笑いの質がドライで日本ではカラッとした笑いは受けない。ウェットな笑いで人情喜劇が成立するんです。笑いはシチュエーションと間が勝負。自分の味と感性でやるしかないですが、芝居は娯楽ですから、お客さまが笑ってホロッと泣けたらいい芝居になります。そんな芝居ができたら役者冥利につきます。

 お客さまも役者も一体となって、みんなで楽しもうと思っています。一作目はなんとしても成功させ、次に続けたいですね。

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