>>No.155

   広瀬 悦子

99年のアルゲリッチ・コンクール優勝以来、若手実力派ピアニストの頂点を築く一人として将来を嘱望されている広瀬悦子がこのほどコロムビアミュージックエンターテインメントから初めてのCD「シャコンヌ」を発売しました。彼女の表現力は情感と気迫にあふれ、完成度と即興性を併せ持ち、演奏は「満開の花」ともいえる香気に満ちたもの。広瀬さんにピアノにかける思いなどを伺いました。

プロフィール

 3歳から才能教育研究会にてピアノを始める。1994年、パリ・エコールノルマル音楽院入学。99年、パリ国立高等音楽院を審査員全員一致の主席で卒業。同年、マルタ・アルゲリッチ国際コンクール優勝。数々の音楽祭に出演のほか、国内外の著名なオーケストラと共演。今年2月、CD「シャコンヌ」を発売。


 99年に別府のアルゲリッチ音楽祭でデビューし、この4年間、CDを出す話はありましたが、ありきたりな曲でCDを制作したくなかったんです。今回、ピアノ以外の楽器、歌で名曲といわれ、ピアノにアレンジしたもののなかから、自分の体の一部になるくらい弾き込んで深く読み込み、気に入った曲を選びました。
CDタイトルともなった「シャコンヌ」は、88鍵盤全部使い、技術的に難しく華麗な曲。まるで教会のなかでオルガンを聴いているような印象を受け、私が弾いていても、またがんばろうと思えるし、感動を与えられる曲です。あまり知られていないような名曲に、華麗な曲を織り交ぜてプログラミングをしたので、いろんな方に楽しんでいただけるようになっています。これだけの曲をCDでまとめてというのはほとんどないと思います。ピアニストとしてCDを残すのが夢だったし、自分のベストをつくしました。
私がピアノをやり始めるきっかけは母でした。生まれて1カ月ごろから毎日クラシックを聞かされて、3歳のころには才能教育研究会でピアノを習い、7,8歳のころはアメリカへ1カ月演奏旅行をしたり、自分の力を試したくていろいろコンクールに出ていました。


 ピアノ一筋で行きたいと思ったのは、13歳のとき、モスクワのコンクールで1位をとり、15歳でパリへ留学したのがきっかけでしたね。もう後にはひけませんでしたから。ドビッシーやラゲル、ショパンも人生の半分をフランスで過ごしましたし、フランス音楽にあこがれていましたので。学校ではピアノ漬けでしたが、美術館はいたるところにあるし、オペラなど毎週のように通っていました。その経験が今回のCDに生かされていると思います。
ピアニストになったと思っても、本当にこの道でいいのか迷ったこともあったし、コンクールに落ちて、つらい時期もありました。そういう時にしんみりした音楽を聴いてなぐさめられたり、勇気づけられたりする。結局、音楽が私を救ってくれ、力をもらったように、私の演奏を聴いてほかの人たちも勇気づけられるのが夢ですね。
クラシックの魅力は、人が共感する力はもちろんのこと、品格、格調の高さもあって、聴くことで心のリセットができ、非日常的なものを感じて、心の洗濯ができるということではないでしょうか。

 学生のとき、コンクールや演奏会に出演するときは、もちろん自分のベストをつくすわけですが、プロとしてやっていくということは、それだけではだめで、自分の音楽を確立し、人に何かを感じてもらう演奏をしなければならない。人間のドラマをピアノだけで表現できる演奏家になりたいと思っています。
4月22日、市民会館大ホールで行われる名フィルの定期演奏会に出演します。ぜひ、聴きにきてくださいね。

 

 

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